旅行業界研究～アフターコロナでの業界動向～

この記事では、旅行業界について解説し、主要なプレイヤー、業務内容、適性、そしてキャリアパスについて詳しくお伝えします。

主要プレイヤーと特徴

主な職種の業務内容

営業職

旅行業界における営業職は、企業や学校、官公庁などへ営業を行い、団体旅行の案件（視察旅行、研修旅行、社員旅行、報奨旅行など）を受注する仕事です。営業の役割は、案件の受注だけでなく、お客様の要望を基にして「自ら旅行商品を作り上げる」ことも含まれます。また、案件の受注から企画、提案、添乗まで一貫して関わることができる点が特徴です。

営業職はさらに以下のように分類されます。

• 団体営業
  企業に対して旅行商品の営業を行います。新規営業や既存営業の両方に携わり、大口の顧客を対象に競合他社との競り合いが発生することが多いです。
• 法人営業
  企業や市区町村に向けて、社員旅行、視察旅行、研修旅行、国際会議等を提案・受注するため、日々営業活動を行います。
• 学校営業
  修学旅行や大会遠征、研修旅行、留学等を主に取り扱う教育旅行の営業です。学校との長期的な関係構築が重要になります。
• 個人営業
  店舗で旅行相談を受け、パッケージツアーや航空券、宿泊券、切符などを販売します。インターネット予約が主流となっている現代においては、より高度な旅行知識やコミュニケーション力が求められます。
• 店舗営業
  来店したお客様に対して旅行商品の提案や発券を行います。お客様との対話を通じて、最適なプランを提案する能力が重要です。
• コールセンター営業
  対面ではなく、電話を通じて全国各地からの旅行申し込みに対応します。迅速かつ的確な対応が求められます。

商品企画

商品企画の仕事は、市場の動向を調査・分析し、新商品の提案や既存商品の改良を行うことです。顧客、市場、競合の情報を収集し、パッケージツアー（募集型企画旅行）を作成します。創造力と分析力が求められる職種です。

添乗員

添乗員は旅程の管理を行い、旅行者の安全を守る仕事です。ガイドとは異なり、チケットの現地発券やチェックイン対応、集合場所の案内などを担当します。営業担当が兼任する場合や、派遣添乗員が同行することもあります。

ランドオペレーター

ランドオペレーターは、旅行会社から依頼を受け、交通や宿泊の手配・予約を行います。大手旅行会社以外は、海外の支店や子会社を持たないため、ランドオペレーターにこれらの手配を委託することが一般的です。インバウンド旅行の際も手配を行います。

職種別適性

営業職

法人営業は、顧客と深い関係を築き、複合的な提案を行いたい人に向いています。限られた情報から顧客のニーズを見抜き、旅行行程を形にする能力が求められます。また、ホテルや交通機関、観光地の担当者と密に連携するため、高いコミュニケーション能力が必要です。

個人営業は、幅広い年齢層のお客様とコミュニケーションを取るのが好きな人に向いています。ネット予約が一般化している現代においては、提案だけでなく、現地情報の提供などで差別化する力が重要です。

商品企画職

魅力的で独自性のあるテーマを考え出す発想力に加え、時々の市場をしっかりとリサーチする能力が必要です。社内の多くの部門と連携するため、調整力にも優れていることが求められます。

キャリアパス

新卒で営業職に配属された場合、主なキャリアパスは2つあります。1つ目は、営業で成果を上げた後に本社の各部署へ異動し、管理職を目指すルートです。2つ目は、営業での成果をもとに各拠点の支店長となり、その後本社の役員になるルートです。

一方で、本社の人事や企画、手配などの部署に配属された場合は、専門性が高いため、同じ部署で管理職を目指すことが多いです。

近年では、営業スタイルや知識の面で社外での通用性が乏しいと感じ、20代半ばから後半のタイミングで人材業界や他業界へのキャリアチェンジを図る方も増えています。

以上が旅行業界の概要とキャリアパスになります。業界の特性やご自身のスキル、興味を考慮しながら、自分に最適なキャリアを模索してみてください。