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通信業界研究~5G技術の普及とサービスの多様化~

通信キャリアは、回線を売る会社から生活まるごとを囲い込む会社へと姿を変えつつあります。その変化を入り口に、4社の違いと仕事の中身、キャリアの実像までを整理しました。

通信キャリアのビジネスモデル

通信キャリアの基本は、月々の利用料を積み上げる商売です。契約者が毎月払う数千円が、数千万件の規模で集まります。

この構造の強みは、収益が安定して読めることです。一度契約すれば長く使い続けてもらえるため、売上が急に消えることがありません。逆に弱みは、契約者数が頭打ちになると成長が止まる点です。

日本の携帯電話の契約数は、複数枚を持つ人や機器向けの回線も含めるとすでに人口を上回っています。人が新しく契約する余地は限られ、加えて政府の値下げ圧力もあって、1契約あたりの単価も上がりにくい状況が続きます。

つまり、契約数と単価という2つの伸びしろが、同時に細っている。ここが通信キャリアの構造的な悩みです。

だからこそ各社は、金融、決済、法人向けのシステム、エネルギーと、通信以外の稼ぎ方を探し始めました。回線をきっかけに顧客と長くつながる関係を、他の商品にも広げていく発想です。

「携帯電話を売る会社」という理解だけでは、この業界の現在地は見えません。通信は入口であり、本当の勝負は入口の先にあります。

では、その先で何が起きているのでしょうか。

通信以外で稼ぐ競争

各社の決算を見ると、成長の中心が通信の外側に移っていることがはっきり分かります。

KDDIは金融事業の営業利益が432億円まで伸び、法人向けのDX事業では2,639億円を稼ぎました。いずれも2桁の成長率が続く領域です。

ソフトバンクはPayPayを軸にした決済で存在感を高めました。グループの決済取扱高は11兆円を超え、その8割以上が通信以外から生まれています。

楽天は逆の順序をたどりました。金融やECで築いた顧客基盤に、後から通信を足す形です。苦戦の続いたモバイル事業も、2025年度に本業のもうけを示すEBITDAが通期で黒字に転じました。

こうした事業を「経済圏」と呼びます。ポイントを共通の通貨のように使い、通信・決済・金融・買い物をひとつの輪の中に囲い込む。他社へ乗り換える手間を大きくすることで、顧客をつなぎとめる設計です。

押さえておきたい変化は3つあります。

変化中身
5Gの普及は一段落5Gを使える人口の割合は全国で98.4%に達し(総務省・2024年度末)、競争の焦点は「つながるか」から「何ができるか」へ移りました
次世代インフラへの投資NTTは光技術で通信基盤を刷新するIOWN構想を進めており、中核となる装置の商用化を2026年度中に予定しています
4社体制の定着楽天モバイルの参入で価格競争が進み、大手のサブブランドと格安SIMの料金差は縮まりました

回線そのものでは差がつきにくくなったため、各社はその先のサービスで勝負しています。

主要プレイヤー4社の比較

社名/営業利益特徴
KDDI
1兆991億円
金融と法人DXが二桁成長。auの経済圏を構築
ソフトバンク
1兆426億円
PayPayが決済の柱。初の営業利益1兆円超
NTTドコモ
9,421億円
契約数で首位。dポイントと金融を展開
楽天モバイル
楽天グループの一事業
ECと金融が母体。EBITDAが通期で黒字化

(2026年3月期・各社決算資料。KDDIとソフトバンクは上場企業、NTTドコモはNTTの完全子会社、楽天モバイルは楽天グループの事業セグメント)

同じ「通信キャリア」でも、強みの置き方は違います。KDDIは法人と金融、ソフトバンクは決済、ドコモは契約者数の厚み、楽天はEC基盤との連携が武器です。

志望動機では、この違いを踏まえて「なぜその会社か」を語れると強くなります。「通信インフラを支えたい」だけでは、4社のどこにも当てはまってしまうためです。

会社ごとの違いをつかんだら、次は「入って何をするのか」を確認しましょう。

主な職種と仕事内容

通信キャリアの仕事は、大きく4つに分けられます。

法人営業

企業に対して、通信回線だけでなくクラウドやセキュリティ、DXの仕組みまで提案する仕事です。近年もっとも成長している領域で、扱う商材は年々広がっています。

顧客の業務を理解し、技術者と連携しながら解決策を組み立てる。金額も規模も大きく、若手のうちから大企業の担当を任される場合もあります。

コンシューマ向け営業・企画

代理店やショップを支援し、個人向けのサービスを設計します。料金プランやポイント制度の設計もここが担い、数千万人の行動を左右する仕事です。

ネットワークエンジニア

基地局や通信設備を設計し、全国どこでもつながる状態を保ちます。災害時にいち早く復旧させるのも、この職種の役割です。

サービス企画・データ活用

決済、金融、エンタメといった通信以外の事業を作ります。膨大な利用データを分析し、新しいサービスに変えていく領域で、近年もっとも人材の需要が高まっています。

職種が違っても、扱っているのは社会インフラです。自分たちが止まれば連絡手段が絶たれるという責任感が、働く人の共通の土台になっています。

災害が起きたとき、真っ先に現場へ向かうのも通信会社です。移動基地局を運び、電源を確保し、まず連絡できる状態を取り戻す。ここに使命感を持てるかどうかは、志望動機を語るうえでも大事な軸になります。

キャリアパスと働き方

処遇は業界の中でも高い水準です。2026年度の初任給はNTTドコモが34万2,000円(住宅補助込み)、KDDIが31万3,000円という水準にあります(各社採用サイト)。

平均年収も高く、NTT持株が1,069万円、KDDIが1,018万円と公表されています(有価証券報告書)。ただし持株会社の数値である点は、他業界と同じく注意して読む必要があります。

働き方の柔軟性でも先を行きます。NTTドコモは居住地を自由に選べる制度を導入し、単身赴任を前提としない働き方へ舵を切りました。KDDIは社外での副業も認めています。

社外への出口としては、IT企業、コンサルティングファーム、事業会社のDX部門が挙がります。大企業を相手にした提案経験と、データを扱う力は転職市場でも通用する武器です。

一方で、通信という土台があるからこそ挑戦できた新規事業も多く、その環境自体が武器だという見方もできます。転職を前提にせず、社内で新しい事業を作る道も現実的です。

向いている人と選考の視点

面接官がこの質問で確かめたいのは、通信会社の現在地を分かっているかどうかになります。

ところが志望理由は、「人と人をつなぐ仕事がしたい」で止まりやすいところです。言葉としては美しいのですが、通信キャリアがいま稼いでいる場所とはずれています。面接で同じ問いを返された時点で、答えは止まってしまうものです。

経済圏の発想まで届いていれば、答えは確かめたいところに噛み合うはずです。「回線をきっかけに金融や決済まで生活を支える設計に、事業の側から関わりたい」と言えれば、業界研究の深さが伝わります。

どの職種が向くかは、次の通りです。

職種向いている人
法人営業技術と経営の両方の言葉を扱える人。大きな金額に臆さない人
コンシューマ向け企画数千万人の行動を想像し、細部まで設計できる人
ネットワークエンジニア止めない仕組みを作ることに責任感を持てる人
サービス企画データから仮説を立て、形にするまでやり切れる人

どの職種でも、事業のスケールが大きいぶん、意思決定には多くの関係者が関わります。丁寧に合意を取りながら前へ進める力が、この業界で伸びる人の共通点です。

通信業界研究の始め方

通信会社は回線で稼ぐ会社だと思われがちですが、面接で聞かれるのは、通信以外のどこで稼いでいるかという話です。

まず1つだけやるなら、気になる1社を選び、決算説明資料でセグメント別の利益に目を通してみてください。「通信と非通信の内訳」を3行でメモするだけで、他社との違いが見えてきます。

書き留めた3行は、ASSIGNのエージェントに見せてみることもできます。

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アサインはビズリーチの最高ランク受賞等、確かな実績を持つエージェントと、若手ハイエンド向け転職サイト『ASSIGN』であなたのキャリアを支援しています。 コンサルティング業界専門のキャリア支援から始まり、現在ではハイエンド層の営業職・企画職・管理職など幅広い支援を行っています。 ご経験と価値観をお伺いし、目指す姿から逆算したキャリア戦略をご提案し、ご納得いただいた上で案件をご紹介するのが、弊社のキャリア支援の特徴です。

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