注目を浴びるコンサルティングファーム内のキャリアパス
東大、京大の新卒就活の人気ランキングの上位を占めるようになるほど昨今人気が上がり続けているコンサルティングファーム業界。
中途においてもその人気は絶大であり未経験からの転職も相次ぎ、主要ファームの従業員数は軒並み右肩上がりである。
そんなコンサルティングファーム業界について、なんとなくエリートが集う集団というイメージを持ちつつも入社後に描けるキャリアについてはぼんやりとしか理解できていない方も多いのではないだろうか。
これからコンサルティングファーム内でのキャリアについてご紹介していく。
コンサルティングファーム内におけるキャリアパスの全体像ついて
まず、コンサルティングファームのキャリアパスの全体像を見てみよう。
ファームによってアナリストやコンサルタントをアソシエイトと呼称するなど、タイトル(役職)の名称や役割などが異なる場合があるため、その点はご留意いただきたい。
一般的に新卒や第二新卒のタイミングで入社すると「アナリスト」というタイトルからスタートとなる。
その後、コンサルタント、シニアコンサルタントと昇格を目指すまでは基本的に同じである。(専門とする領域は異なるが)
シニアコンサルタント以後は大きな分岐点となり、マネージャーとしてデリバリーの道を引き続き歩むか、ディレクター等のセールス特化の道を歩むか、少数ではあるがエキスパートとして有識者としてリードする道を歩むという3つに分かれていく。
マネージャーとしてデリバリーの道を進んだ場合でもシニアマネージャー、パートナーと昇格していくにつれ、セールスの責任が伴うことを押さえておこう。
また、総合ファームで良くとられているマトリックス組織の特性上、自身の携わる領域(テーマ)やチームの変更が難しいという印象を持たれることが多いが、実態としてはマネージャーになるまでであれば変えることは比較的可能である。
実際に変えていくには、上司はもちろん、コンサルティングファームには上司とは別で社内に自身のキャリアを相談できるキャリアコーチ(名称はファームにより異なる)がいるケースが多いため、そういった人にまずは自身の希望を発信していくということが重要だ。
すぐに叶うというケースばかりではないため、希望を伝える中で自身が伸ばすべき専門性は何かをキャリアコーチとすり合わせながら目下のプロジェクトに目的意識を持って取り組んでいけると良い。
各タイトルの役割について
ここでは、ファーム内で多くの人が歩むデリバリーの領域での各タイトルの役割について紹介していく。
アナリスト
アナリストは簡単にいうと「コンサル見習い」である。
他のメンバーの補佐としてリサーチや分析、議事録や資料の作成などのタスクを行うことが職務となる。
このタイトルのときはクライアントと直接話すことは多くなく、チームのメンバーとのコミュニケーションが多い点も理解しておこう。
コンサルタント
コンサルタントはアナリストで身につけたドキュメンテーションスキルやリサーチ、分析のスキルを活かし、タスクを作業レベルでなく、仮説レベルから担うようになる。
そのため、タスクを自身で分解しながら進めていくことが求められる。
ここから課長クラスを中心にクライアントと直接コミュニケーションを取る機会もでてくる。
シニアコンサルタント
シニアコンサルタントになるとプロジェクトの中核となる。
プロジェクトの現場責任者とも言えるマネージャーの右腕としてプロジェクトの推進を行う。
イシューをまるごと任され、その分解と仮説構築、コンサルタントやアナリストへの指示だしまで担うことが多く、まさにプロジェクトの中心のメンバーと言える。
マネージャー
上述でも触れたが、マネージャーはプロジェクトの現場責任者である。
現場責任者と聞くと現場に積極的に入るイメージを持つかもしれないが、むしろ現場への介入はそこまで大きくなく、俯瞰した立場で関わることが多い。
そういったプロジェクトの推進はもちろん、プロジェクトの継続や拡大、横展開までも行うのが特徴である。
部長クラスとのコミュニケーションはもちろん、時には役員クラスともコミュニケーションを取るほど責任の大きなポジションとなる。
シニアマネージャー
シニアマネージャーはいわば「パートナーの右腕」である。
パートナーは一国一城の主として各プロジェクトの最終責任を担うが、シニアマネージャーはその中でもプロジェクトの管理と新規プロジェクトの創出を中心に活躍することが期待される。
KPIをもって取り組むことが一般的で、セールスにより力を入れるために現場を任せられるようなマネージャーの育成に力を入れる必要がある。
パートナー
一国一城の主としてまさに経営者といえるような存在である。
各プロジェクトの最終責任を持つのはもちろんだが、採用、育成などの組織づくりにも責任を持ちバリューチェーンを循環させるという大きな責務を担う。
クライアントの役員クラスとコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくのが一般的である。
どうすれば評価され、昇進できるのか
これまで各タイトルの役割を紹介してきたが、本項ではそれに基づきつつどのようなことを意識してプロジェクトに臨むことで評価され次のタイトルへ繋がるかを紹介する。
アナリストが意識すべきこと
上述の通り、アナリストは「コンサル見習い」である。
前提として大切なのがプロジェクトやタスクを選り好みせず、愚直に取り組んでいくことが重要である。
コンサルタントという仕事に対してスマートなイメージを持つあまり、目の前の泥臭い仕事に前向きになれない方が散見される。
そういった姿勢で業務に取り組んでしまうことでバリューが発揮できないのは本末転倒である。
まずは目の前の仕事にベストを尽くすという当たり前を改めて意識しよう。
その上で与えられたタスクがプロジェクトにおいてどのような役割を担っているかを把握するように努めたり、アウトプットイメージをすり合わせをタスクが振られる際に欠かさず行い、上司からレビューをもらう機会をとにかく早めに設定したりしておくと良い。
自分だけで完璧なアウトプットにたどり着くことはほぼ不可能なため、早めの軌道修正を意識しよう。
コンサルタントが意識すべきこと
コンサルタントとしてのベーススキルを身につけたこのタイミングからはタスク単位でなく、比較的大きな単位で仕事を任される。
ここからはいかに付加価値を与えられるかといった点をより意識していく必要がある。
マネージャーから分析を依頼された際に分析のみをするのではなく、仮説をサポートするために別の分析も加えて返すといった形である。
また、上司のカウンターパートの目線を意識できるようになると良いだろう。
例えば、そのカウンターパートの性格から鑑みて補足資料を合わせた方が良いのではないかといった提案をしていると一歩進んだアウトプットができると評価される。
このタイトルからはアナリストの時とは打って変わって、上司のレビューを要点を絞って受けることでなるべく数を減らし、一人前として一人でクライアントの前に立てる人材に成長することを意識しよう。
シニアコンサルタントが意識すべきこと
シニアコンサルタントはいかにマネージャーの仕事を巻き取っていけるかが重要である。
クライアントとのコミュニケーションの矢面に立ち、バイネームで相談を受けられるようになるとベストな状態だ。
その上でマネージャーへの昇格の肝となるのがメンバーのマネジメントができるかという点になるため、他メンバーのパーソナリティの把握やメンバー間の関係性の把握に努めよう。
また、プロジェクトの継続や派生ができるようになれば一歩リードと言える。
常にクライアントとはコミュニケーションをとり、情報収集は怠らないことが重要だ。
マネージャーが意識すべきこと
上述した通り、マネージャーは現場の責任者でありつつ俯瞰した立場でプロジェクトに関わる。
そんなマネージャーが意識すべきはプロジェクト外へいかに踏み出せるかである。
プロジェクトの継続はもちろん、拡大や横展開を進めていくにあたり、現在進行中のプロジェクトの成功に加えていかに種まきをしていけるかが肝要となる。
社内の観点でもプロジェクト外への意識は重要で、プロジェクトメンバーの育成だけでなく、プロジェクト外のメンバーの育成にメンター制度や講師として研修に参加することで積極的に携わっておくことがおすすめだ。
中長期的にみると抱えるプロジェクトが増えていった際にプロジェクトメンバーを確保する大きな助けになるだろう。
また、マネージャー以降では何ができる人物かを自身で語れることが重要となるため、経験の棚卸しした上で自分が何者でありたいかを問い続け、それに必要な経験や環境がどのようなものか考えておこう。
まとめ
これまでコンサルティングファーム社内でのキャリアについて紹介してきた。
タイトルごとに求められる役割が異なり、それに伴って評価されるポイントも異なることが理解できたと思う。
自身が期待される役割は何か、次のタイトルに向けて今から準備できることは何かこういった視点を持ちながら業務に取り組んでいってほしい。
次回はコンサルティングファームで働いたその先のキャリアについて紹介していく。
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