コンサルタントの業務内容~プロジェクトの流れとは~
コンサルティングファームではプロジェクトベースで仕事が行われ、各プロジェクトは以下のような流れで進む。
案件獲得
コンサルティングファームのプロジェクトは、基本的にクライアント企業から依頼されることでスタートする。依頼を獲得する方法としては、主に以下4つが存在する。
- 新規クライアントへの提案(いわゆる新規営業)
- 既存クライアントへの新規プロジェクトの提案
- 既存プロジェクトの継続・拡張
- コンペへの参加
営業活動は主にマネージャー以上の役職が行い、基本的には獲得したプロジェクトの実行(デリバリーという)まで行う。
セールスを専門に行う部隊があるファームもあり、その場合新規営業やコンペ形式の案件についてはそうした専門部隊が担当することが多い。一方で、既存クライアントへの新規提案や既存プロジェクトの継続・拡張については、プロジェクトをデリバリーしているマネージャーやパートナーが、クライアント企業の役員や幹部とリレーションを築いて獲得するケースが多い。
メンバーのアサインメント
案件の獲得ができると、そのプロジェクトをデリバリーするメンバーを決める作業に入り、これをコンサルティングファームではアサインメント(または単にアサイン)と呼ぶ。
アサインメントの方法はファームによってやや異なるが、一般的には以下の2つがある。
社内ポータルでのマッチング
プロジェクトを獲得したプロジェクトマネージャーは、プロジェクトの内容や開始時期、必要な人員数や求めるスキルなどを社内ポータルに登録する。新入社員やアサインされているプロジェクトの終了が近いメンバーは、このポータルを確認して次のプロジェクトを探す作業を始める。ポータルでアサインの希望を出すと、プロジェクトマネージャーとの面談が行われ、この面談を踏まえてそのプロジェクトにアサインされるかが決定する。
ファームによって、どのようなプロジェクトでもアサイン希望を出せる場合と、自分の属する部門内のプロジェクトにのみ出せる場合とがある。
上司からの指名や直接のアサイン依頼
上記ポータルを介さずに直接集めるケースも存在する。多くのプロジェクトファームでは上位のパートナーを中心とした派閥のようなものが存在し、その中でパートナーなどからの指名でプロジェクトメンバーが組成されることもある。また、上司とリレーションを築き、自らが希望するプロジェクトへのアサインや既存プロジェクトからの異動を実現させる場合も存在する。
スタッフと呼ばれるマネージャー未満の役職の場合、基本的には1つのプロジェクトにのみアサインされる。一方でマネージャー以上の役職になると、同時に複数のプロジェクトにアサインされることがあり、この場合「プロジェクトAに70%、プロジェクトBに30%」というように工数が配分される。
プロジェクトのデリバリー
プロジェクトメンバーが決定すると、実際にプロジェクトの実行に移る。デリバリーの期間はプロジェクトの内容によって様々で、中期経営計画の策定や新規事業立案などの戦略系の案件だと3〜6か月、システム開発などのIT関連の案件だと1〜2年以上となることもある。
基本的な流れとしては以下の5つのフェーズに分かれるが、プロジェクトの内容によって様々である。
- キックオフ
- 情報収集
- 課題分析と仮説立て
- 仮説検証と打ち手の立案
- 最終報告
プロジェクトの期間が短くなると1日の稼働時間が長くなる傾向にあり、中間報告や最終報告の1週間前からは終電や深夜まで作業が続くことが多い。ただし、最近ではWLBを重視するファームも増えてきており、人員の増加やプロジェクト期間の適切な設定により昔ほどの激務ではなくなってきている。
次フェーズへの展開
プロジェクトの終了に近づくと、プロジェクトを担当しているパートナーやマネージャーを中心に次の案件獲得に動き出す。戦略案件であれば運用や実行フェーズの支援提案を、システム開発の案件であれば保守や追加機能開発の提案を行うことになる。
また、デリバリーの際に行うミーティングに、クライアント側の関係者としてプロジェクトを発注した部署以外の役員や部長が参加することもあり、そういった機会を逃さずに別部署への提案を行う場合もある。
コンサルティングファームでは、プロジェクトをデリバリーしていない期間を「アベイラブル」というが、このアベイラブルの期間が長いとコンサルタントとしての稼働率が低くなり、評価に影響する。なので、基本的には切れ目なくプロジェクトにアサインされることが望ましいとされており、そのためにもプロジェクトの継続や次フェーズの獲得は重要になっている。
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