ブランディング経験者が語る理論と実務

企業ブランドの構築は、 企業成長における重要な要素である一方で、曖昧で捉えにくい部分も多いです。今回は、ブランドに対する考え方や実務的な動きについて簡単にご紹介します。

現在業務でブランディングに携わっている方にも、マーケターとして活動されている方にもご一読いただければ嬉しい限りです。

ブランドへの認識を揃えたい

そもそもブランドが何かということについては様々な意見がありますが、もともとの由来としては、自分が所有している家畜を他人の家畜と区別するための印が語源です。

つまり、他のサービスとどのように違うのか、区別をしてもらうためのものであり、ビジネスにおいては、自分たちが誰に対し、何をしているのか、を知ってもらうことが大切であると考えています。

また、ブランドイメージの構築において、最も強い手法は顧客の実体験であり、サービスの品質が何よりも重要であることに疑いの余地はありませんが、それをサポートする形でブランディング施策を行うことも多い傾向にあります。

ブランドを測るKPIとして、NPSや認知率等ももちろん重要ですが、 まず意識するポイントとしては、常に自分たちが誰に対して何をどのような姿勢で取り組んでいるのか、ということを伝え続けることだと考えています。

インナーを軽んじてはいけない

ブランド構築におけるよくある失敗例として、インナーブランディングを軽んじるパターンがあります。

確かにスタートアップなどは従業員数は多くないため、マスに対しての施策を打ちたくなる気持ちはよくわかりますが、ブランディングもマーケティングも、濃いところから作っていく意識が非常に大切だと感じています。

そのため、社内に向けての広報活動や意識の醸成といった活動を軽んじることなく、インナーからアウターに展開するといった意識で取り組むようにしています。

インナーブランディングは社員の服装やオフィス、名刺、 また全体の前での取締役のスピーチやブランドに関連する社内ワークショップなどによって、様々な観点から作られていきますが、どのようなブランドを目指すのかといった整理をした後には、インナーブランドを大切にしていく必要があります。

ブランディングに興味のあるあなたに

ブランドの活動は面白さや深さがあるため、興味を持っていただける方も少なくないと思います。一方で、長期目線での取り組みになっていくことが多く、成果も見えにくいので辛抱強く取り組む必要がある仕事と感じています。

もしブランドの仕事に興味を持っていただけたのであれば、ブランド担当として、またはブランドを理解した協力者としてのキャリアをぜひ作っていただきたいと思います。