ASSIGN MEDIA

抜け道はあるのか?デジタルに閉じない、マスマーケティングの経験の取り方

マーケティングを取り巻く環境は、テクノロジーの進化によってこれまでにないスピードで変化しています。特に生成AIの普及により、これまで価値の源泉だったデジタル領域の運用スキルは、大きな転換期を迎えています。

では、このような時代に若手・中堅マーケターが市場価値を高め続けるには、どのようなキャリアを描けばよいのでしょうか。

将来的にCMO(最高マーケティング責任者)を目指すのであれば、まずは運用スキルだけでは差別化が難しくなっている現実を理解する必要があります。そのうえで、デジタルマーケティングの経験を土台に、マスマーケティングへと専門性を広げ、ブランド全体を動かす視点を身につけることが重要です。

この記事では、デジタル領域からマス領域へ経験を広げるための考え方と実践的なステップを解説します。読み終える頃には、マーケターとして市場価値を高めるために、明日から何をすべきかが明確になっているはずです。

なぜ今、デジタルマーケターはマス領域へ広げていくべきなのか

マスマーケティングとは、テレビCMや新聞広告、交通広告などのマスメディアを活用し、多くの人に向けて商品やサービスを届けるマーケティング手法です。

一方、現在のデジタルマーケティングでは、プラットフォーム側のAIやアルゴリズムの進化によって、広告運用の自動化が急速に進んでいます。Meta広告やGoogleのP-MAXでは、ランディングページやクリエイティブをAIが自動で解析し、最適なユーザーへ配信することが当たり前になっています。

こうした環境の中でデジタル領域だけに留まっていると、いずれ認知拡大に限界が訪れます。デジタル広告は検索ユーザーなどの顕在層へのアプローチには強みがありますが、事業をさらに成長させるためには、まだ商品を知らない潜在層へ働きかけることが欠かせません。その役割を担うのがマスマーケティングです。

だからこそ、これからのデジタルマーケターには、デジタルだけでなくマス領域にも視野を広げ、新たな需要を生み出す経験を積むことが求められています。

「デジタル×マス」マーケターが担う新しい役割

デジタルとマスの両方を理解するマーケターに求められる役割は、単に幅広い広告施策を担当することではありません。

市場調査からターゲット設定、ブランドコンセプトの設計、施策の企画・実行、効果検証まで、一連のマーケティングプロセスを設計・推進することが求められます。特にテレビCMのような大型施策では、数千万円から数億円規模の予算を動かす意思決定も必要になります。

このレイヤーで重要になるのが、事業全体のKGIから逆算し、認知施策と獲得施策へどのように予算を配分するかという「予算アロケーション」の考え方です。

マス施策によって大きな認知を生み出し、その興味・関心をデジタル施策で確実にコンバージョンへつなげる。このように、デジタルとマスを一体で設計することが、これからのマーケターに求められる重要な役割です。

こうした最上流の戦略設計は、多くの事業会社では部長やCMOが担っています。AIが進化しても、自社ならではの顧客理解やブランド戦略をもとに、デジタルとマスを組み合わせて事業を成長させる設計は、人にしかできません。施策ではなく事業全体を動かす視点を持つことが、これからのマーケターに求められる新しい価値なのです。

デジタルマーケターがぶつかる壁

一方で、デジタル領域で成果を出してきたマーケターほど、マスマーケティングに挑戦すると大きな壁に直面します。最初に感じるのは、デジタル広告とはまったく異なる意思決定の難しさです。デジタル広告のように、リアルタイムでCPAを確認しながら細かく改善を繰り返す運用は、マス領域では基本的にできません。

テレビCMのような施策は、一度の投資額が大きく、事前の戦略設計やブランドコンセプトが成果を左右します。また、効果検証の考え方も異なります。デジタル広告ではクリック数やCV数といった直接的な指標を重視しますが、マス施策ではGRP(延べ視聴率)やビデオリサーチ社のデータ、ブランドリフト調査など、間接的な指標をもとに評価します。

こうした指標の違いに戸惑い、「これまでの経験が通用しない」と感じるマーケターは少なくありません。さらに、マーケティングには「部分最適」と「全体最適」の壁があります。デジタルキャンペーンという一つの施策だけを改善していると、全社のマーケティング戦略に貢献できているように感じてしまいます。しかし実際には、それは全体の一部に過ぎません。

デジタル領域だけで経験を積んでいると、ブランド戦略やマス施策など、事業全体を見渡す視点を身につける機会が限られてしまうのです。

マス領域へ挑戦するための3つのステップ

マス領域へ挑戦し、市場価値を高めるためには、次の3つのステップが重要です。

まず一つ目は、自分がマーケティング全体のどの役割を担っているのかを理解し、マス領域の考え方や効果検証の方法を学ぶことです。実測値(アクチュアル)の見方や、マス施策が検索数やCVにどのような影響を与えるのかといった相関関係を理解しましょう。

二つ目は、多くの人の心を動かす顧客インサイトを捉える力を磨くことです。マスマーケティングでは、一部のターゲットではなく、より幅広い層に響くメッセージを設計する必要があります。営業現場の声を聞いたり、クリエイティブの検証を繰り返したりしながら、「なぜ選ばれるのか」を言語化する力を鍛えることが重要です。

三つ目は、マス領域やブランド戦略を実際に経験できる環境へキャリアを広げることです。事業会社でブランド戦略やテレビCMなどの大型施策に携われるポジションを目指す方法もあれば、総合広告代理店のストラテジックプランナーとして、ターゲティングからブランド構築まで一貫して担当する道もあります。

これからのマーケターは「デジタル×マス」で差がつく

これからの時代、データ集計や広告入稿などのデジタル実務は、AIによって急速に自動化されていきます。だからこそ、デジタルとマスの両方を理解し、使い分けられるマーケターの市場価値はますます高まっていくでしょう。

もちろん、すべての企業が同じ人材を求めているわけではありません。企業の成長フェーズによって、必要とされるスキルは異なります。例えば、アーリーフェーズのスタートアップでは、KPI設計やグロース施策を実行できる実務力が重視されます。一方、事業拡大フェーズのメガベンチャーや大手企業では、大規模な予算を扱い、複数チャネルを統合してブランドを成長させるマス領域の知見が求められます。

そのため、転職やキャリア形成では、企業がどのような課題を抱え、どのようなマーケティング人材を求めているのかを正しく理解することが大切です。

デジタル領域で培った強みを土台に、マスマーケティングの視点まで身につけることができれば、市場価値は大きく高まります。AIを使いこなしながら、顧客インサイトを捉え、ブランド全体を設計できるマーケターこそが、これからの時代にCMOとして活躍できる人材です。

ぜひ視野をデジタルだけに留めず、マス領域へ一歩踏み出してください。その経験が、他にはない強みとなり、あなた自身のキャリアを大きく広げてくれるはずです。

ASSIGN

アサインはビズリーチの最高ランク受賞等、確かな実績を持つエージェントと、若手ハイエンド向け転職サイト『ASSIGN』であなたのキャリアを支援しています。 コンサルティング業界専門のキャリア支援から始まり、現在ではハイエンド層の営業職・企画職・管理職など幅広い支援を行っています。 ご経験と価値観をお伺いし、目指す姿から逆算したキャリア戦略をご提案し、ご納得いただいた上で案件をご紹介するのが、弊社のキャリア支援の特徴です。

企業詳細へ

PICKUP / 編集者おすすめ

日本のイノベーションエコシステムを築く。ソーシング・ブラザーズの挑戦

日本のイノベーションエコシステムを築く。ソーシング・ブラザーズの挑戦

企業インタビュー
営業職のキャリアパスと転職の選択肢

営業職のキャリアパスと転職の選択肢

キャリアコラム
20代から知っておくべき、キャリアの真実とは

20代から知っておくべき、キャリアの真実とは

キャリアコラム