「このまま花のプロフェッショナルになるのか」煩悶を経て30歳を機に選んだRAの道

左:株式会社アサイン シニアエージェント 稲垣 大亮
老舗フラワーショップにて実績を上げていた内山さんですが、本当に目指したいのはキャリアは人事の道でした。このままでは花のプロフェッショナルにしかなれないと考え、30歳を機に大手総合人材サービス会社へ転職。
転職後は過去ギネスの企業を出すなどの業績を記録して大活躍。迷いや悩みもまだまだ多いと言いますが、今後の展望までお伺いしました。
手応えはあったものの、このままでは花のプロフェッショナルのキャリアに。目指したいキャリアに向けて転職を決意
――前職を選んだ理由を教えていただけますか。
学生時代のスポーツの経験から、人を喜ばせることが私自身の原動力だなと感じまして、人を喜ばせる仕事を軸に探しておりました。一期一会といいますか、一生に一回の瞬間に携われる仕事にすごく魅力を感じていたことから、ブライダル業をメインで受けていました。
その中でも、選考を通して一番私のパーソナルなところをちゃんと聞いていただけた前職を選びました。そういう方々と一緒に働ける環境であれば、自分も活躍できるかなと思ったからです。
――前職ではどのような業務に携わっていましたか。
入社後すぐの頃は、結婚式会場で使用するお花を何にするかといった打ち合わせを新郎新婦の方と行っておりました。有形ではありますが、当日まで完成形を見ることが出来ないので、有形と無形の間のような立ち位置でした。完成形を見られるまでは、想像力を掻き立ててテンションを上げていました。
そこから3、4年ほどでたまたまマネジメントを担当させていただけることになりまして、はじめて部下を持ちました。自身もプレーヤーでありながら、自身のエリアの売上責任と部下の育成・教育、加えてアルバイトの採用も任されました。いい意味で全て任せていただいており、予算を渡されてそれをクリアするためにチームで邁進していました。
――そのような状況の中、転職のきっかけは何がありましたか。
自社内での人事ポジションである、採用・教育にキャリアチェンジをしたくて積極的に手を挙げていたのですが、やはり営業の人手不足があって叶いませんでした。
部下の教育はすごく楽しくやりがいを感じていたものの、将来この仕事で食べていくのかと考えたら、このままだと花の知識しかつかないと考えた時に、それは違うなって思いました。
年齢も30歳になりますし、最後に一回転職して更に営業力を上げたい、花以外の商材に挑戦したいと考えて、転職しました。
やはり年齢が最後の決定打でした。25歳ぐらいからずっと転職自体は考えていましたが、花のプロフェッショナルを目指したいわけでなく、バックヤードのキャリアを積んだり法人営業をしたりするのを期待したのですが、結局はずっと花屋のフロントで戦うことになっていました。
30歳以降は求人が減るとか、ある程度実力がないと不可能とか、色んな話も聞いていました。マネージャーやプロジェクトリーダーのような肩書がない限り、30歳以降の転職は同業以外難しい、と。なので、30歳目前になったタイミングで不安が爆発して、その時にたまたま稲垣さんからのスカウトメールが来たので、ラストチャンスだなと思ってご相談しました。

ここから先の道筋を適切に示してくれたエージェントに感謝
――転職活動を始めるにあたって、どのような不安がありましたか。
不安しかなかったです。同業であれば採用していただける自信はありましたが、幅広く世界を見渡したら、自分はこれまでニッチ過ぎる環境にいたのだと痛感したのが大きいです。
浅く広く仕事もしていましたし、花屋の営業を採ってくれる企業なんているのかなと、そればかりが不安の種でした。
何度か転職活動を経験していることもあり、転職をすることの難しさは理解していたつもりです。だからこそ、職務経歴書を起こしてみても、これは強みなのか……?と思ってしまったり、実際どの業界に行けるのだろうか、8年間も働いてしまったがゆえに自分が他のどんな仕事に適しているのかがわからなくて、正直見つかると思えないほどでした。
稲垣さんが「大丈夫ですよ」とずっと言ってくれたおかげで、僕の気持ちが折れずにすみました。その配慮も含めて、本当に頼りがいがありました。
――多くのエージェントとお話をされる中で、私にキャリアを任せていただけた理由はありますか。
タイミングももちろんありますが、初回の相談時にすごく親身さを感じ、背中を押してくれた感じがしました。他にも、面談したエージェントの方は居たのですが、親身というよりお仕事として機械的な印象が強くて……。
求職者として、「どれだけ僕に対して時間を割いて、親身になってくれりのだろうか。本当に道筋を示してくれるのだろうか」という不安や懸念を払拭してくれる方とやりたいと思っていたので、稲垣さんを選びました。
――当時エージェントにどのようなことを期待していらっしゃいましたか。
転職活動自体に不安を感じていたので、転職活動とはどんなものかをしっかり支えてくれること、私に合っている仕事がどのような仕事なのか親身になって一緒に考えてくれること、そして道筋を明確にしてくれることを何よりも求めていました。
はじめての転職であり、キャリアを積んである程度の立場になっての転職だったこともあり、私が今回進みたい方向へキャリアを歩むためには、どのようなステップを踏まないといけないのか、それをプロ目線からアドバイスしてくれることを一番に期待していました。
はじめての転職ってどうしてもネームバリューのある企業の求人を見てしまいます。それが正解かどうかは入社後のギャップとしてあらわれますよね。「自分の進むべきキャリアにそのステップは本当に必要なのか」「メリットは何か」「デメリットはどのようなものか」という点を、稲垣さんはきちんと説明したうえで、進むべき道を示してくれました。
2つの人材企業に内定、現職への決め手は「チームプレイの優しさ」
――転職活動を通して自身の価値観について気づきはありましたか。
私の中の価値観は、自分がどれだけ他人を巻き込んでそこに影響を出せるか、還元できるか、その人のために頑張れるかが原動力だと思っていました。自分の利益よりも、他人がどうあるのか、自身の気持ちが高まるか、そういうところを大事に思っている人間なんだなと再認識しました。
――当時2つの人材サービス企業から内定を出されていましたが、現職への決め手は何でしたか。
人材系のキャリアに道を定めた際に、ネームバリューという観点で、もう一方の企業が最初の指標になりました。あちらの企業出身で活躍されている方や起業されている方が多くいることは知っており、そこを目指していたので最後は本当に揺らぎました。
一方で、お恥ずかしながら、人材業界を目指していながらも現職の企業については全く知りませんでした。でも現職の社員の方とお話してみると、すごくラフな方々で、「こういう方々であれば自分をしっかりさらけ出して話せるな」と感じました。
より本心で話せるのはどっちだろうと考えた際に、現職の企業の方々のほうが親身になってくれたり、「ぜひうちで一緒に働こう」と言葉をかけてくださって、それが大きく響きました。人材業界に行くからこそ、大事なのは「人」だなと感じたのも決め手です。

試行錯誤の連続で、満たされている環境
――現職ではどのような業務に携わっていますか。
リクルーティングアドバイザーとして入社し、企業様を何社か担当させていただいております。領域はIT業界です。
今、エンジニアさんの有効求人倍率は10倍近い状態なので、担当企業様を採用成功に導く為に、他社との差別化を図っていけるか、その企業の魅力をしっかりと引き出せるかが肝となります。
求職者であるエンジニアさんに企業や求人の魅力を感じてもらうため、キャリアアドバイザーに対しどのように担当企業の魅力を訴求するかに奮闘しております。
――業務に従事される中で、一番きつかったのはどんなことでしょうか。
自身の担当業務のキャッチアップだけでも大変なのに、IT領域もまた未知の世界なのが一番つらいですね。人材業界とIT領域の二軸でキャッチアップしなければいけない状況なので。
入社してからの業務内容や一連の流れは経験してわかってきたので、今は業界の理解も更に深くまで追いつけるように頑張っています。
――そんな中でも担当企業様で支援数のギネス記録を取られていましたね。何が要因だったのでしょうか。
自身の歴が浅いことを相手に曝け出したんです。もちろん最初は嫌な顔をされましたが、何回もアクションすることで担当者も心をひらいてくれて腹を割って話してくれる関係を築くことができました。
――業務してみての手応えはいかがでしょうか。
まず大前提として非常にやりがいを感じております。やりたいことをしっかりと出来ています。
その上で、最近ちょっとだけ悩みがあって、数字を追わなければいけない環境に流されて求職者さんのベスト・オブ・ベストな選択を見誤っていないかと不安になるときがあります。それでも候補者さんに良かったと思ってもらえる転職支援の品質と、結果という数字と、ちゃんと二軸をこなしていくことを目指しています。早く力をつけて色んな角度で提案をしたいという気持ちがありますが、まだまだ出来てないという自覚もあります。
みんな目の前の数字を追ってしまいますし、それが営業の仕事でもあります。ただ、「人で社会を変える」と謳っているにもかかわらず、人材を商品だと思った時点で企業価値が無くなってしまうと思うんです。その葛藤をなんとかしたいと思っています。
求職者さんのキャリアパスを具現化できた時は、結果につながったかなと思っています。そうした求職者さんの意向を上げる瞬間にやりがいを感じますし、自分は得意だと感じています。
──現在の仕事へのモチベーションはいかがでしょうか。
モチベーションは入社した時に一度一気に上がったものの、未経験だからこその大変さを感じて、一度落ちてしまった時期もありましたが、初めてご支援に成功して、やりがいを感じられてからは再び上がりました。魅力的な求人や受けてみたいと思ってもらえる企業の魅力をどんどん伝えていきたいです。
現状、何かを得れば何かの壁にぶつかる状態で、初めの一年はこの状態が続きそうだなと感じています。仕事に終わりがない世界だな、と。
我々としては支援モデルを体系化することが重要ミッションではあると思いますが、支援企業によって方法は千差万別であることから、自分自身はより高い状態で企業様の役に立ちたいと感じております。
だから毎日がジェットコースター状態です。毎日多くのことを考え、学んでいます。

人事の道を進むか、マネジメントとしてキャリアアップするか
――今後の展望はどんなプランでしょうか。
2つのキャリアパスで悩んでいます。ひとつは人事の道を進んでいく、もうひとつはマネジメントとしてキャリアアップしていく。
マネージャーとしてのキャリアであれば、最強のチームを作りたいです。馴れ合いではなく、お互い高め合ってやりがいを持って働くことができ、誰かが数字が悪くなれば誰かがサポートをするような。そんなチームを作って、「自分の支援次第でその人の人生を狂わす可能性がある」という緊張感を持った上で仕事をして、支援した人も企業も発展していく。そんな長い目でやりがいが感じられる環境を根付かせたいと思っています。
人事の領域は自分一人でできることには限界があります。本当であれば、よりどんな人材が合うのか、人事制度の改定や働きやすい環境を作ってあげたい、と深いところまで入り込んでいきたいと考えています。
どちらのキャリアも魅力的だからこそ、どちらの道に行くべきかを悩んでいます。
――また今後のキャリアプランについては練っていきましょう。内山さんのご活躍を今後とも楽しみにしております。本日はお時間いただきありがとうございました。
ASSIGN
アサインはビズリーチの最高ランク受賞等、確かな実績を持つエージェントと、若手ハイエンド向け転職サイト『ASSIGN』であなたのキャリアを支援しています。 コンサルティング業界専門のキャリア支援から始まり、現在ではハイエンド層の営業職・企画職・管理職など幅広い支援を行っています。 ご経験と価値観をお伺いし、目指す姿から逆算したキャリア戦略をご提案し、ご納得いただいた上で案件をご紹介するのが、弊社のキャリア支援の特徴です。